このページの記事等はすべて月刊雑誌「和楽」(平成28年6月号)より、能に関する記事、写真等をお借りして抜粋して掲載しております。
歴史
奈良時代、大陸から伝来した民間芸能「散楽」がルーツ
確立された年 1300年代半ばごろ
大成者 世阿弥
演者の基本構成
役者は主役のシテ、シテの相手方のワキに大きく分かれ、そこに演奏担当
の囃子方が加わる。
演目により狂言方が入ることも。
合唱の地謡、舞台進行を助ける後見も含め舞台上にいる人物は全員が能の
演者。
現在の状況 シテ方、ワキ方、囃子方、狂言方すべて分業の世襲制。
さまざまな役割を担うシテ方が圧倒的に人数が多く、観世、宝生、金春、
金剛、喜多の五流派がある。
シテ 主役であり、一人が一曲を演じる。オモテと呼ばれる面は老人、女、男、
鬼などがあり、この造形様式は室町末期から近代に確立。
本舞台
四本の柱は、演者の目印の役目も果たす。特に能面を付けた演者の司会は狭いので重要、舞台奥の後座には囃子方などが座る。
橋掛かり
演者の登退場の通路であり、舞台の一部として効果的に用いられる。前面にある若松は舞台から離れるほど背が低くなり、遠近感を表す。
鏡板
老松の描かれた板壁は、趣を添えるだけで舞台背景の機能はない。舞台装置がないからこそ、観客の想像力を引き出すことにつながる。
地謡座
本舞台から幅半間ほどの張り出し部分。ここに地謡6人~10人が二列に、正面と直角に座る。後列中央に座る地頭が謡のリードを取る。